知るほど便利!アルコール除菌の秘密と活用法あれこれ
新型コロナウイルスの影響でふだん使いの仲間入りした除菌・抗菌剤。
ご家庭ではキッチン周りやトイレ・お風呂などのサニタリー、職場用には小さいボトルで仕事の合間に、お子様の通勤、通学にも、シュッとひと吹き。みなさんの必需品ではないでしょうか。
除菌成分は色々ありますが、その中でもよくつかわれているのが「アルコール」。
お酒の原料にもなるこのアルコール、実はいろいろな種類、使い方があることをご存じですか?
ふだんからアルコールを取り扱っているプロの視点から、アルコールのあれこれについて解説します。
目次
1.「アルコール」ってなに?
除菌・抗菌用の原料として一般的なアルコールですが、「市販のお酒に入っているアルコールとどうちがうの?」と疑問を持つ方も多いと思います。
アルコールとひと口に言っても、さまざまな呼び方があります。アルコール、エタノール、エチルアルコール、酒精…。
ただ、私たちが日常的に使うアルコールは、エチルアルコールすなわち「エタノール」と考えてよいです。理科の実験でおぼえている、という方も多いことでしょう。
除菌・抗菌に使われる場合と、お酒やみりんなどに使われる場合、アルコールとしての成分は一緒なのです。
食べ物にも安心して使えるから、ハムやソーセージなど食品の加工品、みそやしょうゆなど発酵食品、佃煮やうどん、そばの麺類などさまざまな場面でアルコールが活躍しているんですね。
2.アルコールは作り方でちがう?
成分はお酒のアルコールと一緒ですが、ふだん使われるアルコールには、どんな種類があるのでしょうか?実はアルコールの作り方には「でんぷんを発酵させる」方法と、「化学反応で合成させる」方法の2種類があるのです。
でんぷんを発酵させる「発酵アルコール」
でんぷんや糖質を発酵させて、自然の力を活用して作るアルコール製造法です。お酒などの原料のほか、食品の除菌・抗菌や香料、薬局でのアルコールなど、さまざまな用途に使われています。
水とエチレンから合成する「合成アルコール」
石油から取り出されるエチレンをもとに合成するアルコール製造法です。化粧品、香料、医薬品など、食べ物ではない化学工業用製品に使われています。
また、「発酵アルコール」の中でも、お酒に使うかどうかで適用される法律が変わってきます。食品などお酒以外の除菌・抗菌に利用される場合は、より多くの方の手に取っていただくという考え方から、お酒にかかる「酒税」が適用されません。
最近では手指の消毒を目的にした指定医薬部外品としてのアルコールもたくさん普及しています。
アルコール除菌剤を選ぶときには、その製造法、指定医薬部外品かどうかをチェックしてみるのもよいかもしれません。
アルコールの分類
3.アルコールでの除菌は他の除菌とどうちがうの?
除菌・殺菌をしたいと思ったとき、アルコール以外にも石鹸や熱水、次亜塩素酸水などいろいろな成分があります。
それらと比べて、アルコールにはどのようなちがいがあるのでしょうか?
食べ物にかけても大丈夫!
アルコールはお酒の主成分と一緒ですから、除菌・抗菌作用がありながら口にいれても安全な成分です。また、発酵アルコール製法の原材料は糖蜜やサトウキビ、トウモロコシ、さつまいもなどのでんぷんです。食品として分類されますので、手指やモノだけではなく、食べ物に直接振りかけての除菌・抗菌にも利用できます。
高い除菌作用ですぐに揮発するからお子様でも安心!
アルコールのもう一つの特徴は、短時間で蒸発する揮発性の高さです。スプレータイプであれば、シュッとひと吹きすればすぐに蒸発するため、スプレーした食材をお子様がそのまま食べたり舐めたりしても酔うことはありません。また、短時間での除菌効果が期待でき、その後も一定期間効果が持続するため、安心してご利用いただけます。
工業用から手指消毒、食品まで使える万能性が、日常で使えるアルコール除菌の大きなポイントですね。
アルコールと他成分のちがい
4.まだまだ便利さいっぱい!?アルコールの特徴あれこれ
ほかの成分とくらべても日常生活で利用しやすいアルコール。除菌・抗菌に役立ついろいろな特徴がありますのでご紹介していきます。
防カビにも有効な殺菌・消毒効果
アルコールは防カビにも効果があります。湿気のある場所でカビを見つけたらアルコールでシュッとひと吹き、その後ふき取れば乾きも早く、一石二鳥です。
水洗いが不要だから短時間で除菌
アルコールは使った後の水洗いはしなくてもOK。スプレー方式でひと吹きすると、細かいところまで行き届いて除菌効果がさらにアップします。
水や油に混じって使いやすい
アルコールは水とよく混じり、油をよく溶かす性質を持っていますので、用途に応じてほかと合わせて加工・利用しやすい成分です。
日常生活をさらに安心、安全にする除菌成分、アルコールですが、ご利用にも注意が必要です。
以下のことに注意しながらご活用ください。
- 揮発・引火しやすいのでお子様の手の届かないところに保管 アルコールは引火しやすいので、火の近くでは利用しないようにしましょう。また、揮発性が高く、フタが空いていたりするとすぐになくなってしまうので、お子様の手の届かないところで保管してください。
- モノに使う前には一度試してから スチロール製品に使用すると白く濁ることがあります。また、革製品に使うと光沢がなくなることがありますのでご注意ください。タンスや衣類などにご利用の際は、まず目立たないところで試してから利用してください。
5.こんな風に使えます!アルコール活用法
お料理・キッチン周り、お掃除に。これまで気が付かなかったアルコールの活用法はまだまだあります。
新しい除菌生活で、おうち時間をさらに楽しく過ごしましょう。
お料理編
生ごみのニオイをシャットアウト
生ゴミの悪臭源、アンモニアやトリメチルアミンをアルコールでシャットアウト!生ごみをゴミ袋に入れた状態でアルコールをひと吹き。それを入れるゴミ箱にもひと吹きしておけば完璧です。暑い時期には大活躍します。
室温で食パンを保存
食パンの保存もアルコールを使ったひと工夫でカンタン。買ってきたパンの袋を開封して袋の中をアルコールスプレーでひと吹き。開封の都度吹き込めば、保存状態も安定します。トーストで焼けばアルコールのニオイもなくなって美味しく食べることができます。常温で、1週間程度日持ちするのでぜひトライしてみてください。
毎日使う調理器具もキレイさっぱり
菜箸、まな板、お鍋やざる、などシンクまわりにも。後片付けの仕上げにアルコールをひと吹きすれば、キレイな状態で毎日のお料理を楽しめます。週2回~3回程度すると除菌効果が持続します。
お掃除編
歯ブラシの除菌にもアルコール
菌がとても繁殖しやすい歯ブラシ。濡れたままで置いていたり、歯ブラシ同士が近かったり…。お口に入れるデリケートなものも、食品添加物のアルコールで安全に除菌。すぐに揮発するので、お子様の歯ブラシにも使えます。気になるニオイの予防にも効果的です。
レンジまわりの立体掃除
ガスレンジや周りの壁には、気が付けば油汚れがべっとり…。そんなときもアルコールでさっとひと吹きすれば大丈夫。アルコールは油を溶かすので、力要らずでさらっと落とせます。鍋や食べ物、調味料にかかっても安全ですので、気軽に掃除をはじめられます。
気軽にトイレ掃除
何かと道具が必要で、気持ちの切り替えが必要なトイレ掃除。アルコールを使って気軽にやってしまいましょう。アルコールを霧吹きに入れてトイレ専用において置き、トイレットペーパーでさらっとひと吹きを習慣にしましょう。消毒もできて、常にトイレがさっぱりします。もちろん床やスリッパにも使えます。
6.おすすめ、安心して使えるアルコールは?
世間にたくさんあるアルコール製品。どれを選んだらいいのか迷いますね。
その中でおすすめなのは、お酒を取り扱っている酒蔵さんが出しているアルコール除菌製剤。
酒造用と同じ質の「醸造用アルコール」を使っているので、もちろん食材にも利用できます。
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