夏は夏バテ解消、冬は温活ドリンク。
ご存知ですか?甘酒には種類があるんです!
夏は冷やしてスッキリ夏バテ解消ドリンクとして。 冬はホットで体の中から温まる温活ドリンクとして。
天然の栄養がたっぷり含まれた健康ドリンク、甘酒。
その歴史は古く、冷房もない江戸時代、暑さを乗りきるための「夏バテ防止ドリンク」として大人気だったという甘酒。
夏になると現れる「甘酒売り」は引っ張りだこだったそうです。
健康番組などでも何度か取り上げられ、「飲んだことがある」、「飲んではいないけど気になる」という方も多いのではないでしょうか?
スーパーなどでも買えるようになった甘酒ですが、実は甘酒には種類があります。
原料、製法で含まれる栄養にも大きな違いがでる甘酒。
ご自分に合った甘酒を選んでいただくためにも、ぜひ知っていただきたい甘酒の「種類」についてお伝えします。
目次
甘酒は大きくわけると2種類
甘酒には
・「麹甘酒」
・「酒粕甘酒」
の2種類があります。
どちらもお店では「甘酒」として売られていることが多いので注意が必要ですが、成分表示を確認すれば見分けるのは簡単。
「麹甘酒と酒粕甘酒の見分け方」
①アルコールが含まれているかどうか
アルコール分が含まれている→「酒粕甘酒」
(※アルコール分を1%以下に抑えて「ソフトドリンク」として販売されているものもあります。)
②原材料を確認
原材料に「酒粕」が含まれている→「酒粕甘酒」
原材料に「米麹」が含まれている→「麹甘酒」
■酒粕甘酒
酒粕甘酒の原料は酒粕と砂糖などの調味料。原料の酒粕を水で煮溶かし、砂糖を加えるのが基本的な作り方です。お鍋一つで簡単に作れるため、家庭で作る自家製甘酒としても人気ですが、注意したいのがアルコール分。 お酒をしぼったあとの粕である酒粕を原料とする酒粕甘酒にはアルコールが残っていることが多く、妊娠中や授乳中、お子様やアルコールに弱い方には注意が必要です。
【酒粕甘酒のメリット】
・家庭でも簡単に作ることができる。
・麹甘酒に比べて、価格が控えめ。
【酒粕甘酒のデメリット】
・アルコール分が気になることも。
・砂糖などの甘味料を加えるため、ダイエット中には不向き。
■麹甘酒
麹甘酒の原料は米麹とお米で、お米を米麹で発酵させてつくります。
発酵過程でお米のでんぷんが糖に変わるため、砂糖を一切加えなくても甘い甘酒ができあがります。麹の力を活かした麹甘酒は健康効果もバツグン。健康飲料として注目されているのは主に「麹甘酒」です。
麹甘酒も家庭で作ることができますが、米麹をうまく糖化させるための温度管理が必要で、手間も時間もかかります。
【麹甘酒のメリット】
・健康効果が高い。
・アルコール分0。お子様も飲める。
【麹甘酒のデメリット】
・家庭で作るには少しハードルが高い。
・酒粕甘酒に比べると価格が高め。
名称は同じ「甘酒」でも、「酒粕甘酒」と「麹甘酒」では原料から全く異なります。
麹甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養豊富で、甘酒ブームの火付け役となったのも麹甘酒です。
栄養成分にも違いが!知っておきたい麹甘酒と酒粕甘酒の違い
麹甘酒と酒粕甘酒の違いは、原材料、作り方の2つ。
この違いがそれぞれの甘酒に含まれる成分、栄養の違いを生み出します。
【麹甘酒の主な栄養】
■アミノ酸(必須アミノ酸9種類すべてに加えてその他のアミノ酸も)
体内ではつくることができないため、必ず食物から補わなければいけない9種類の必須アミノ酸が甘酒にはすべて入っています。人体の20%を占めるタンパク質を構成し、「生命の源」とも呼ばれる「アミノ酸」。私たちの健康を支えるのに必要不可欠な成分です。
■ビタミンB群 (ビタミンB1,B2.B6)
エネルギーを生み出す代謝を助けるビタミンB群。若々しく、生き生きとした体をサポートしてくれます。
甘酒に含まれるビタミンB1には疲労回復効果があり、ビタミンB2は新陳代謝を促し、ビタミンB6はホルモンのバランスを助けたり、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。
麹甘酒は発酵過程でこれらのビタミンB群を生み出します。
■食物繊維
腸内環境を整え、便秘の解消にも役立つ食物繊維が豊富に含まれています。
■ブドウ糖
脳の主要な栄養素であるブドウ糖。ブドウ糖が不足すると脳が正常に働かず、集中力、記憶力に支障が出ることがあります。
■オリゴ糖
腸内にいるビフィズス菌などの善玉菌の栄養となるオリゴ糖。人の免疫細胞の70%は腸内にあるといわれ、腸内環境が改善されると、風邪をひきにくくなるなど、免疫力が向上することもわかっています。
■コウジ酸
麹(こうじ)で発酵させて作られる甘酒。その麹が発酵する過程で生み出されるのが「コウジ酸」です。医薬部外品の美白の有効成分として認可されている確かな美白成分でメラニンの生成、シミ、くすみを予防します。
【酒粕甘酒の主な栄養】
■アミノ酸(数種類)
発酵食品である酒粕を原材料に使用するため豊富なアミノ酸を含みますが、麹甘酒がすべての必須アミノ酸を網羅するのに比べ、多くの場合酒粕甘酒に含まれるアミノ酸は限定的です。
■ビタミンB群
酒粕甘酒もビタミンB群を含みますが加熱処理の過程で減少することも。
■アデノシン
基本的に酒粕甘酒は麹甘酒に比べると栄養成分の種類、量ともにあまり豊富であるとは言えないのですが、「アデノシン」に関しては酒粕甘酒に軍配があがります。
「アデノシン」とはエネルギー代謝と神経機能の調節に関わる化合物で、酒粕に多く含まれる“清酒酵母”が、体内にあるアデノシンA2A受容体という分子と結合することで活発になり、睡眠の質が改善されることがわかっています。
米麹よりも酒粕のほうが原料としては安いので、酒粕甘酒のほうが安く手に入るのですが、含まれる栄養と効能、「どんな時でも飲める」という利点を考えると麹甘酒がおすすめです。その豊富な栄養素から「飲む点滴」とも呼ばれるのは通常、「麹甘酒」のことを指します。
ただし、「睡眠に関する悩みがある」場合には酒粕甘酒。
目的や飲む人に応じて、甘酒を選ぶ際の参考になさってください。
新たに注目され始めた第三の甘酒、生甘酒。
これまでの甘酒と何が違うの?
甘酒はおおまかに分類して2種類。
ですが近年、新たな甘酒が注目されています。
それが「生甘酒」。
一体、「生甘酒」の「生」とは何を指すのか?
これまでの甘酒と何が違うのか。
順を追ってご説明します。
まずは、「生甘酒」の「生」とは一般的に「火を通していない生の状態=加熱処理していない状態」を指します。
通常、お店で売られている甘酒は高温で加熱処理をされたものなので、これと区別して加熱していない「生の状態」の甘酒を「生甘酒」と呼びます。
麹甘酒は、米麹の発酵の力を利用して作られているので、高温で加熱して麹の力を封じ込めておかないと、商品になってからも発酵が進んでしまい、甘酒の入った瓶が割れたり、パッケージを開けた途端に中身が飛び出て溢れてくる可能性があるため、この加熱処理が必須となります。
しかし、麹の力を封じ込めるために高温で加熱するということは、麹の恩恵も一緒に封じ込めてしまうということでもあります。
そうして失われてしまうのが「酵素」。
高温で加熱する前の「生甘酒」には酵素が豊富に含まれているのですが、この「酵素」、「体内の酵素がゼロになった時が寿命」とされるほど重要な成分なのです。
人間が一生のうちに体内で作り出すことができる体内酵素の量は一人一人、その限界量が決まっているという考え方もあり、食べ物から酵素を取り入れることが、健康で長生きする秘訣ともいわれています。
生きるのに必要不可欠な酵素ですが、化学調味料やインスタント食品、アルコールなどによって浪費される他にも、風邪や発熱などによる体温の変化でも酵素は消費されてしまいます。
酵素が不足すると体が弱ってしまうため、食べ物から酵素を補うことが大切なのですが、酵素を含むのは主に「新鮮な生の食品」か「発酵食品」のみ。
麹から作られる甘酒は本来、酵素を補うのに最適な飲み物なのですが、酵素は熱に弱いため、高温を加えると酵素の働きは失われてしまいます。
つまり、せっかく酵素を豊富に含んでいる「生甘酒」を高温で加熱することで、酵素の働きが失われた状態で販売されているのが甘酒の現状。
これを打破しようという動きから生まれたのが最近注目されている「生甘酒」というわけです。
自分に合った甘酒の選び方は?
3種類の甘酒をご紹介しましたが、それぞれに特徴があるので、ご自分に合った甘酒を選んでいただくコツを簡単にお伝えします。
「健康のために甘酒を飲みたい!」→『麹甘酒』
アルコールを含まないので、お子様からお年寄りまでどなたでも飲める。
「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養素が豊富。
店頭でも購入できるので続けやすい。
「睡眠の質を改善したい」、「費用を抑えて甘酒を楽しみたい」→『酒粕甘酒』
酒粕に含まれる清酒酵母の働きでアデノシンが活性化されることにより睡眠の質が上がる。
アルコール分が含まれるため飲むタイミング、飲む人を選ぶので注意。
麹甘酒に比べ安価に入手できることが多い。
「もっと手軽に甘酒の栄養を取り入れたい」、「普段の食生活に不安がある」→『生甘酒』
生甘酒はパウチなどスティック状になっていて持ち運びに便利なものも。
酵素が生きて詰まった状態の甘酒なので普段の食生活で生野菜、発酵食品が不足している方には特におすすめ。
麹甘酒の豊富な栄養素に加え、たっぷりの酵素が摂れる。栄養面でみて最も優れているのが生甘酒。
店頭での購入が難しいため、購入はオンラインで。
一口に甘酒といっても製法の違い、原材料の違いで含まれる栄養もその味わいも様々。
おいしさを楽しみながら続けられるお気に入りの甘酒をみつけて、ぜひ毎日の習慣としてとりいれてみてくださいね。